酵素等の成分の作用による痩身効果を標ぼうする食品の販売事業者5社に対する申入れ活動について
2021.03.25(No.10001088)
 当団体は、被害を受けた消費者に代わり、被害金を取り戻す訴えを起こすことができる特定適格消費者団体です。消費者庁より措置命令を受けた酵素等の成分の作用による痩身効果を標ぼうする食品の販売事業者に対し、申入れ活動を行いました。主な申入れ内容は、①購入者に返金に応じることを個別に通知すること、②(措置命令は消費者への返金を含まないので)消費者が希望する場合は返金等を行うこと、等です。その経過を報告します。

1 消費者庁の措置命令
 消費者庁は、2019年3月29日、酵素等の成分の作用による痩身効果を標ぼうする食品の販売事業者5社(以下「5社」という。)に対し、5社が供給する食品(以下「本件商品」という。)に係る表示(以下「本件表示」という。)について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。

消費者庁のサイト参照
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/representation_cms215_190329_01.pdf



2 当団体から販売業者5社に対する申入れ
 当団体は、本件表示の問題は、景品表示法に違反しているだけではなく、消費者契約法4条1項1号に定める「不実告知」に該当するものであり、本件表示を見た結果として、本件商品を摂取するだけで誰でも容易に痩身効果が得られるものと誤認して、本件商品を購入した消費者については、同号の規定によって購入契約を取り消して、すでに消費した分も含めて商品代金の返金を求めることができるものと判断いたしました。
 そこで、当団体は、2020年2月26日、以下の申入れを行いました。

<申入れ内容>
(1)措置命令の対象となった表示により対象商品を購入した消費者に対して、返金を求めることができることを個別に通知すること。
(2)消費者からの返金申出に応じること。また、消費者の負担が少ない返金方法を提供すること。
(3)少なくとも1年間は対象消費者からの返金に応じること。
(4)当団体に対して、(1)の告知の実施状況及び(2)の返金の実施状況について定期的に報告すること。

3 申入れ活動の結果について
(1)購入者への個別通知と返金に応じた3社
 当団体からの申入れに対し、5社のうち3社からは、「個別の購入者からの返金要請に応じる」「その旨を個別の購入者に通知する(通知した)」旨の回答がありました。また、当団体に対して返金の実施状況を定期的に報告していただけることとなりました。

(2)株式会社モイスト
 当団体からの申入れに対し、景品表示法第10条に基づく返金措置を実施すべく消費者庁と検討を進めていますと回答があり、2020年4月6日、消費者庁長官が認定した返金措置として公表されました。

消費者庁のサイト参照
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/authorization_list/


(3)消費者庁から措置命令を取消された1社
 当団体からの申入れに対し、措置命令に対し審査請求中であると回答があり、2020年5月15日、消費者庁から当該措置命令を取り消したとして公表されました。

消費者庁のサイト参照
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms215_200515_1.pdf


以上   

 


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