当団体は、洗口液「リステリン」の商品ラベル等の表示における、「殺菌力」「マウスウォッシュ売上」「Ｎо．１」といった文言は、消費者の誤認を招くおそれがあると考え、２０２３年２月から、当時この商品を取り扱っていたジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社に対し「お問合せ」を行いました。受領した回答を基に検討を行った結果、この表示は不当景品類及び不当表示防止法上の問題があるものとの結論に達し、８月２８日付けで表示の差止めを求める「申入書」を送付しました。
　申入書への回答を求める連絡の過程において、「リステリン」に関する事業は、ＪＮＴＬコンシューマーヘルス株式会社（以下「同社」といいます。）に継承されたことが判明したことから、当団体は、改めて８月２８日付け申入書書面を同社に送付し、その後９月２６日付けでの回答を受領しました。

●２０２３年８月２８日付け申入れの概要
　リステリンに貼付されている商品ラベルを見た消費者は、「殺菌力がＮо．１である」と誤認する可能性がある。『殺菌力』が類似商品の中で『Ｎо．１』であることを裏付けるデータ等が存在するわけではないことから、景品表示法上の優良誤認表示に該当するので、１枚の商品ラベルの中に、「殺菌力」との表示と「Ｎо．１」との表示を同時に行うことの停止を求める。
●ＪＮＴＬコンシューマーヘルス株式会社の２０２３年９月２６日付け回答要旨
　商品ラベルは、「リステリン」の特長である「殺菌力」とブランドの強みである「売上Ｎо．１」を同時に訴求できるよう工夫したもので、殺菌力がＮо．１であるかのような印象を与えることを意図したものではない。しかし、指摘を真摯に受け止め、商品ラベルにおける表示を見直す。

　こうした回答を受け、当団体は表示見直しについて、具体的にどのように表示の変更を行うのか及びその時期を尋ねる「再お問合せ」を２０２３年１１月２７日付けで送りました。それに対し同社からは１２月２６日付けで回答を受領しました。
●同社の２０２３年１２月２６日付け回答要旨
・ウェブサイト上の商品表示については、「殺菌力」との表示と「Ｎｏ．１」との表示がされているショルダーラベルが表示された画像を全て削除し、かつ、「殺菌力」との表示を「売上」に変更した画像へと変更する。
・小売店で販売する商品については、「殺菌力」との表示を削除するなどした新たなアテンションステッカーをショルダーラベルの上に重ねて貼付した状態で出荷する。
・ショルダーラベルの表示そのものは、２０２５又は２０２６年中にはその全てについて、表示変更することを予定する。

　回答を受けて、当団体として確認したところ、すでに改善が行われた部分もありますが、なお、一部の商品については本件ショルダーラベルがそのまま使用されているものもあることから、当団体は同社に対し２０２４年３月２８日付けで「要請書」を送付しました。
●２０２４年３月２８日付け要請書の概要
・容量１０００ｍｌのものが袋詰めで２個、ないし３個セットで販売されてい商品については袋の外側から、「殺菌力」と「Ｎо．１」が並んで表示されているショルダーラベルが見える状態であるが、袋の外側から、これが見えないような外装となるよう、工夫をしてください。
・容量２５０ｍｌの商品のものでは、単品であっても新たなアテンションステッカーは上貼りされず、ショルダーラベルが見える状態となっているが、アテンションステッカー等を貼付するなど、これが見えることのないよう、工夫をしてください。
・容量１００ｍｌ商品においては、１枚の商品ラベルの中に、「殺菌力」と「Ｎо．１」が並んで表示されており、アテンションステッカー等は貼付されておらず、「殺菌力」と「Ｎо．１」が並んで表示されている商品ラベルが見える状態となっているが、アテンションステッカー等を貼付するなど、これが見えることのないよう、工夫をしてください。