特定非営利活動法人消費者支援機構関西(以下「当団体」という。)は、株式会社総合資格(以下「同社」という。)が募集している資格試験対策講座等について、解約等をめぐるトラブルが生じているとの情報提供を受けたことから、消費者契約法等の法令上問題がないか検討するため、2021年6月より複数回にわたりお問合せを行い、都度、同社より資料提供を受け、検討を行いました。
検討の結果、種々の契約書類において、その内容が複雑多岐にわたり、一見して消費者が受講しようとする講座やその受講方法の特定、中途解約の場合の解約返戻金の有無・算出方法の特定等が困難と言わざるを得ず、消費者においては契約内容の理解が十分になされていないと判断しました。
そこで、当団体は消費者団体として、2022年9月6日付けで、消費者契約法第3条第1項第1号に基づくものとして、契約書面の改善や解約返戻金の算出方法の明示などを求める要請書を送付しました。それに対し、同社からは10月2日付け回答書を受領しました。
同社は当団体の要請に対して、「受講申込書」の改訂に併せて、一定の改善を図る旨を回答されました。これに対して、当団体は、11月28日付け「要請書兼お問合せ(その4)」において、その改善の実施時期及び改訂版の受講申込書の提供を求めました。同社からは12月11日付けで、改訂版の受講申込書と合わせ、11月7日からの運用を開始した旨の回答を受けました。これにより、10月2日付け回答で同社が表明した改善について確認することができました。
当団体としては、今回の改善は「早期に対応可能と見込まれる事項」についてのものであり、問題を完全に払拭するには十分ではないと考えますが、具体的改善に速やかに取り組まれたことに鑑み、要請活動を一旦終了しましたのでここに報告します。
≪改善点の概要≫
受講申込書を改訂し、講座詳細・役務詳細内容は別紙にて説明すること、また、受講申込書控えは受講終了まで大切に保管していただきたい旨を強調しつつ、その受講申込書控えに役務提供済み受講料の算出方法を記載する。
≪経過≫
・2021年6月7日付けで、同社に対し「お問合せ」を送付しました。
・2021年6月15日付けで、同社より「ご回答書」を受領しました。
・2021年10月5日付けで、同社に対し「再お問合せ」を送付しました。
・2021年11月1日付けで、同社より「再お問合せ」を受領しました。
・2022年3月28日付けで、同社に対し「再々お問合せ」を送付しました。
・2022年4月15日付けで、同社より「再々お問合せ」を受領しました。
・2022年9月6日付けで、同社に対し「要請書」を送付しました。
・2022年10月2日付けで、同社より「回答書」を受領しました。
・2022年11月28日付け、同社に対し「要請書兼お問合せ(その4)」を送付しました。
・2022年12月11日付け、同社より「回答書」を受領しました。
・2023年3月2日付けで、当団体は、同社に対して、「ご連絡(「要請」活動終了通知)」を送付し、「要請」活動を終了しました。